AWS SageMakerとRaspberry Piを活用した自動車ホーン音質検査自動化システムの構築

お客様:宮本警報器株式会社様 https://miyamoto-horn.jp/
お客様の課題
宮本警報器株式会社様は、自動車部品の製造を専門とし、特にホーンの製造において高い技術力を持つ企業です。自動車向けホーンの音質検査は、社内認定の作業者による全数聴感検査が必要でした。しかし、105dB以上の騒音環境での作業は1日2時間程度に制限され、人手不足が深刻化していました。また、官能検査による判定のばらつきが品質管理の課題となっていました。そこで、トラストと協力し、AWSのサーバレス技術とエッジデバイス(Raspberry Pi)、AIによる異音検知技術を活用した、音質検査自動化システムを構築しました。
- 人手不足
高騒音環境での作業時間制限により、検査作業員の確保が困難。 - 品質のばらつき
官能検査による判定のばらつきが品質管理の課題。
技術構成
- エッジデバイス
Raspberry Pi 5を使用し、USBマイクで音を収音。録音データをクラウドに送信。 - クラウドサービス
AWS SageMakerでAIモデルを作成し、IoT Coreでデバイス管理。データはS3に保存し、QuickSightで可視化。 - AI技術
オートエンコーダーを用いた教師無し学習で異常検知を実施。 - エッジでの推論
Greengrassを使いエッジデバイス上で異音検知モデルを実行することで、リアルタイムで異常を検知。 - サーバレスウェブアプリ
AWS Amplifyを使用して、モデルの自動作成と管理を行う。 - 自動デプロイ
Greengrassを通じて、AIモデルをRaspberry Piに自動デプロイ。 - 検査結果のリアルタイム表示
異音検知時にM5Stackで判定結果をリアルタイムで表示。
技術のアピールポイント

- コストパフォーマンス
Raspberry Piを使用することで、低コストで高性能なシステムを実現。 - スケーラビリティ
AWSのマネージドサービスを活用し、システムの拡張性と信頼性を確保。 - 自動化と効率化
AIによる自動判定で、検査の効率化と品質の均一化を実現。 - 機械学習モデル構築の内製化
Web画面を通じて担当者が音を確認し、モデルの自動作成とデプロイの自動化を実現。AIやMLの専門エンジニアがいなくても、担当者自身でモデルを作成することが可能に。
成果
- 検査作業員の負担軽減
自動化により人手不足を解消。 - 品質の均一化
検査基準の統一による品質の均一化。 - トレーサビリティの確保
音質判定のデジタル化による記録の保持。 - コストダウン
検査工程の省力化によるコスト削減。
今後の展望
今後は、検査員が不要の完全自動システムを構築し、さらなる効率化と品質向上を目指します。このシステムにより、全ての検査工程を自動化し、人的リソースの最適化を図るとともに、業務のさらなる省力化を実現します。
音質検査自動化を検討されている企業様へ
当社では、お客様の課題に合わせた最適なAIによる異音検知自動化ソリューションを提供いたします。詳細はお問い合わせください。