冷蔵庫、冷凍庫温度の遠隔監視システムの導入

温度の遠隔監視システム

お客様:株式会社サンフーズジャパン様 https://sunfoodsjp.com/

お客様の課題

サンフーズジャパン様は、食品の製造・販売を中心に展開する企業で、特に、原材料や製品として冷凍品や冷蔵品を多く取り扱っています。顧客に高品質で安全な食品を届けるためには、温度管理が非常に重要です。冷蔵庫・冷凍庫の温度管理は、製品の鮮度を保つだけでなく、食品衛生上も厳密な管理が求められるため、日常的なモニタリングが不可欠です。

従来、サンフーズジャパン様では、15台の冷蔵庫および冷凍庫を使用しており、平日日中には1日に4回、社員が直接設備の温度を確認し、手書きで記録するという手法を取っていました。これにより、1日60回もの確認作業が発生し、人的な負担が大きくなっていました。また、週末や夜間には温度確認ができず、監視が不十分な状況が続いていました。このため、品質管理や業務効率の面で改善が求められていました。

ご提案内容

弊社は、サンフーズジャパン様の課題解決に向け、IoT技術を活用した「金のタネ IoTによる工場見える化のタネ」をご提案いたしました。このシステムは、冷蔵庫および冷凍庫の温度を遠隔で自動的に監視し、24時間365日、リアルタイムでの温度管理が可能です。
具体的には、各冷蔵庫・冷凍庫に設置されたRaspberry Pi Zeroと温度センサーを用いて、温度データをクラウド上に自動的に送信し、保存します。これにより、社員が現場で手動確認する手間が不要になり、温度データの自動化と正確性が大幅に向上しました。また、温度が設定された許容範囲を超えた場合には、アラートがSMSやメールで即座に通知されるため、問題が発生した際に迅速な対応が可能です。

構成図

下図は、導入されたシステムの構成を示しています。

サンフーズジャパン様では、15台の冷蔵庫および冷凍庫に防水・防塵対応の温度センサーを設置し、それぞれがRaspberry Pi Zeroと接続されています。これらのセンサーが取得した温度データは、AWSのクラウドサービスを通じて集約・保存され、Webブラウザを通じていつでもどこでも確認可能です。また、AWSのマネージドサービスを活用しているため、オンプレミスサーバの設置は不要で、コスト削減にもつながっています。

導入効果

サンフーズジャパン様では、システム導入後、以下のような大きな効果を実感されています。

  • 作業効率の向上
    従来1日60回行っていた手動確認作業が不要になり、年間約480時間分の人件費が削減されました。これにより、社員はより価値の高い業務に専念できるようになりました。

  • 監視体制の強化
    24時間365日の自動監視体制により、夜間や週末も含めた温度管理が可能となり、食品の品質や安全性を確保。これにより、食品衛生面でのリスクが大幅に軽減されました。

  • 異常対応の迅速化
    異常が検知された場合、リアルタイムでアラートが通知されるため、トラブル発生時には迅速な対応が可能です。これにより、製品ロスの削減やトラブル対応時間の短縮が実現されました。

  • データの活用
    過去の温度データはすべてクラウドに記録されているため、監査対応や業務改善のためのデータ分析が容易になり、業務のさらなる効率化に寄与しています。

今後の展望

サンフーズジャパン様は、冷蔵・冷凍庫温度の遠隔監視システムの導入をきっかけに、さらなる業務の効率化や品質向上を目指しています。将来的には、工場全体のIoT化やデータ活用を進め、持続的な成長を支援する取り組みも計画中です。また、このシステムは他の食品関連企業への応用も可能であり、サンフーズジャパン様は業界全体に貢献するモデルケースとなっています。