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レガシーシステム脱却への挑戦|食品製造業の販売管理をAWSサーバレスで刷新する【開発事例】
老朽化した基幹システム(レガシーシステム:長年使い続けられ、最新技術への対応が難しいシステム)の維持管理に限界を感じ、システム刷新へ踏み切る食品製造業が増えています。 特に、販売管理と在庫・生産・会計が分断されていることによる「情報の二重入力」や「リアルタイムな在庫把握の不可」は、経営スピードを鈍らせる大きな要因です。
本記事では、老朽化した独自システムから脱却し、AWS(アマゾン ウェブ サービス)を活用したサーバレス構成で再構築した、食品製造業向け販売管理システム刷新の開発事例をご紹介します。
この記事の読み方
この記事では、食品製造業のシステム刷新を検討している担当者様向けに、以下の情報を整理しています。
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課題の特定 :なぜ「古いシステム」の維持が経営リスクになるのか
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開発のポイント :AWSサーバレス構成による、拡張性と低コストの両立
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期待される効果 :各種外部システムや生産管理システムとの自動連携による恩恵
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導入のステップ :段階的な移行(フェーズ分け)によるプロジェクトの進め方
目次
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導入:食品製造業の成長を阻む「レガシーシステムの壁」
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背景/課題:分断されたシステムと限界を迎えた手作業
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相談されたこと:現場が求めた「最適化」と「拡張性」
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実績:AWSサーバレスで構築する柔軟な販売管理システム
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対応したこと:販売から会計までを一気通貫でつなぐ
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技術要素:運用負荷を最小化するモダンな技術スタック
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結果(導入することで期待される効果)
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段階導入の進め方:リスクを抑えた2フェーズ移行
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よくある質問(FAQ)
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まとめ:食品製造業DXの核となる「つながる」システム刷新
1) 導入:食品製造業の成長を阻む「レガシーシステムの壁」
食品製造業における販売管理システムは、受注から出荷、請求までを司る「業務の要」です。 しかし、20年以上前に構築された独自システムを使い続けている現場では、
「新しい外部システムと連携できない」 「スマホやタブレットで在庫が見られない」
といった悩みが深刻化しています。
市販のパッケージソフトへの移行も一つの手段ですが、独自の商習慣や複雑な単価設定を再現しようとすると、莫大なカスタマイズ費用が発生し、結局「使いにくいシステム」に妥協せざるを得ないケースも少なくありません。
本記事で紹介する事例は、既存業務の強みを活かしつつ、クラウドの柔軟性を取り入れた食品製造業のシステム刷新への挑戦です。
2) 背景/課題:分断されたシステムと限界を迎えた手作業
ある食品製造業様では古い基幹システムを長年使い続けてきましたが、いくつかの深刻な課題が浮き彫りになっていました。
他システムとの「分断」による二重入力
販売管理システムが、在庫管理や生産管理、会計システムと独立していたため、同じ内容を何度も異なるシステムへ入力する「二重入力」が常態化していました。 これは作業時間のロスだけでなく、人為的な入力ミスの温床にもなっていました。
外部連携の不可と配送業務の停滞
運送会社のシステムや取引先のEDI(電子データ交換:企業間での電子的な情報交換)と連携できず、送り状の発行や請求処理に多くの手作業が発生。 受注から出荷までのリードタイムを短縮する上で、システムの硬直化が大きな壁となっていました。
「クラウド活用」という経営トップの指針
こうした現場課題に対し、経営層からは 「保守運用の負担を減らし、将来的な拡張性が高いクラウドを積極的に活用せよ」 という方針が打ち出されていました。
3) 相談されたこと:現場が求めた「最適化」と「拡張性」
新システムに求められたのは「現状の業務に合わせつつ、次の一手(DX)につながる基盤」であることでした。
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維持管理コストの削減 サーバー自体のメンテナンスから解放され、システムの安定性を高めたい。
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複数単位の在庫管理 1つの商品コードで「ケース」「バラ」「重量」など複数の単位を自動換算し、在庫管理を容易にしたい。
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外部システムとの連携 運送会社や会計ソフト、外部EDIとのデータ連携を自動化し、手入力をゼロに近づけたい。
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モバイル対応 営業担当者が社外からスマホやタブレットで在庫や売上の状況を確認できるようにしたい。
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データドリブン経営 蓄積されたデータをBIツールで分析し、経営判断に活かしたい。
つまり求められていたのは、単なる入れ替えではなく、食品製造業の将来を見据えたシステム刷新でした。
販売管理ではなく、生産や在庫を含めた基幹業務全体を対象にした事例は、紙とExcelから脱却した食品製造業の基幹システム事例で紹介しています。
4) 実績:AWSサーバレスで構築する柔軟な販売管理システム
トラストが提案したは、AWSのマネージドサービス(サーバー等の管理をAWS側に任せられるサービス)をフル活用した、モダンなWebアプリケーションです。
システムの全体フロー(入力→処理→出力)
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入力 Webブラウザやスマートフォンから、受注・入出庫データを入力。
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処理 AWS上のプログラムが動き、在庫引当、請求計算などを一括処理。
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出力 帳票(PDF)の自動生成、運送会社向けデータの作成、BIツールへのダッシュボード反映。
冗長化された高信頼基盤
システムは「冗長化(東京にある3つのデータセンターでシステムを分散して稼働)」され、自社でサーバーを持つよりも遥かに高い稼働率を実現します。
このように、本事例では食品製造業の販売管理を止めないためのシステム刷新を、クラウドネイティブな発想で実現しようとしています。
5) 対応したこと:販売から会計までを一気通貫でつなぐ
単なる「画面の作り替え」ではなく、業務フローそのものを効率化するため、以下の機能を実装しました。
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複雑な単価設定の自動化 納入先ごとに異なる契約単価をマスター管理し、入力ミスを防止。
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運送会社データ連携 各社(大手運送会社など)のソフトに合わせた形式で出荷データを出力。送り状作成の手間を劇的に削減。
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会計ソフト連携 請求・入金データを会計システム用ファイルとして出力し、経理部門の入力作業を不要に。
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ペーパーレス記録 これまで紙で運用していた受注チェック表やピッキングリストをデジタル化し、トレーサビリティの基盤を構築。
このように、食品製造業のシステム刷新は、販売だけでなく在庫・会計・生産記録までつなげることで、はじめて大きな効果を発揮します。
6) 技術要素:運用負荷を最小化するモダンな技術スタック
本システムの安定性と拡張性を担保するため、以下の技術を組み合わせています。
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AWS Lambda (ラムダ) サーバーの管理なしにプログラムを実行できる実行環境。コスト効率に優れる。
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Amazon QuickSight クラウド型のBIツール。蓄積された売上データを可視化し、グラフで分析可能。
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SPA (シングルページアプリケーション) Webページを移動せずにスムーズな操作ができる技術。現場の入力ストレスを軽減。
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HTTPS/SSL 通信 通信の暗号化。社外からのアクセス時も万全のセキュリティを確保。
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IP アドレス制限 / SMS 2段階認証 特定の場所から、あるいは本人確認を済ませた人だけがアクセスできる強固な防衛策。
運用負荷を減らしながら将来の機能追加にも対応しやすい点は、まさに食品製造業のシステム刷新に求められる重要条件です。同じAWS構成で、図面や画像といった文字以外の情報まで扱えるようにした例は図形を含む情報をWebで一元管理した事例をご覧ください。
7) 結果(導入することで期待される効果)
本プロジェクトは開発・テスト段階の内容を含みますが、導入により以下のような定量的・定性的効果が期待されています。
| 期待効果の項目 | 具体的な内容(想定) | 根拠・理由 |
|---|---|---|
| 手入力・二重入力の削減 | 事務工数の大幅な削減 | 販売・在庫・会計・外部EDIでデータ連携されるため |
| 在庫把握の即時性向上 | リアルタイムな在庫把握が可能に | 出荷指示と在庫引当が連動し、現場での出庫登録もリアルタイム反映されるため |
| 経営判断のスピードアップ | データドリブンな意思決定 | BIツールによる売上実績や利益率の可視化が、ブラウザ一つで完結するため |
| 配送業務の効率化 | 送り状発行の待ち時間を削減 | 受注データから運送会社用CSVが生成され、手入力が不要になるため |
| 将来の拡張性確保 | 生成AI連携などの土台が完成 | クラウドネイティブな構成により、将来的に「FAX受注のAI自動読取」などの追加が容易なため |
このように、本事例は単なる置き換えではなく、食品製造業の経営基盤そのものを強くするシステム刷新といえます。
8) 段階導入の進め方:リスクを抑えた2フェーズ移行
基幹システムを一度にすべて切り替えるのはリスクが大きいため、以下の手順での開発を提案しています。
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フェーズ1:基幹業務の移行: マスター管理、受注・売上、請求・入金など、日々の売上を止めることなくシステムを動かすための核となる機能を開発します。
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フェーズ2:周辺業務の統合: 在庫管理、会計連携、過去データの移行を実施。現場の習熟度を見ながら機能を広げていきます。
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納品後の伴走サポート: 新旧システムの並行稼働期間を設け、現場のオペレーションに不具合がないかを徹底的にサポートします。
こうした段階導入は、食品製造業のシステム刷新で失敗を避けるうえで非常に有効です。
9) よくある質問(FAQ)
Q. 販売管理システムをAWSで動かすメリットは何ですか?
**A.**自社サーバーの保守・更新が不要になり、障害耐性が格段に高まります。 また、必要に応じて処理能力を柔軟に変更できるため、将来の規模拡大にも強いのが特徴です。
Q. 独自の取引習慣(特有の単価計算など)を再現できますか?
**A.**はい。パッケージソフトとは異なり、スクラッチに近い柔軟な開発が可能なため、現状の業務フローを活かした設計が可能です。
Q. スマホやタブレットからも利用できますか?
**A.**はい。Webブラウザベースのシステムですので、インターネット環境があれば社外からでも安全にデータの参照・入力が可能です。
Q. 運送会社の送り状発行システムと連携できますか?
**A.**可能です。各社の規定フォーマットに合わせたデータを一括出力できる機能を実装します。
10) まとめ:食品製造業DXの核となる「つながる」システム刷新
本記事では、食品製造業の基幹となる販売管理システムの刷新事例をご紹介しました。
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レガシーシステムからの脱却: 保守リスクを排除し、クラウドの恩恵を最大化。
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データの一元化: 分断されていた在庫・生産・会計を一つにつなぐ。
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分析による経営強化: 蓄積されたデータを利益に変える基盤を構築。
蓄積したデータを部門ごとの収支把握まで広げた事例としては、部門別損益管理システムの構築事例があります。
「今のシステムに業務を合わせる」のではなく、 「自社の業務をより強くするためのシステムを作る」。 それがAWSサーバレスによるシステム刷新の真髄です。
「自社の販売管理システムも、そろそろ限界かもしれない……」 「クラウド化に興味はあるが、どこから手を付ければいいか分からない」
そのようなお悩みをお持ちの食品製造業のシステム担当者様や経営層の方は、まずは自社の課題整理から始めるのがおすすめです。 今回の開発事例のように、現場に合ったシステム刷新の設計から進めることで、無理のないDX推進につながります。


